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かつてあった遠い場所への入口がそこにはありました。
森アーツセンターで開催中の古代エジプト展へ。 三千年、四千年も前の人々の生き生きとした息遣いを直に感じ取れそうな、そんな時空を越える入口がそこにありました。 中でも気になったのが、上の写真の木棺です。まずこれがとにかく美しい。写真ではわかりにくいですが、内側にはコフィン・テキストと呼ばれる多くの呪文や地図のような絵が描かれています。全体のプロポーションの感覚も研ぎ澄まされています。上からのぞくとまるで古代都市の中庭のようにも見えまます。 棺の内側が都市の一角、中庭に見えるなんて少し奇妙な言い方ですが、そこをのぞいていると時間の感覚やスケール感が<今ここ>ではないどこかへつながっていく、そんな気がしてくるのです。村上春樹の“井戸の底”を思い出します。古代の人々が想像した風景がぽっかりと口をあけて広がっている、不思議な感覚を持つことができました。 この後、乃木坂のギャラリー間へ、スタジオ・ムンバイ展まで足をのばしました。こちらのことはまた次回に書こうと思いますが、どちらも時間と場所ということに想像力を求める内容で、わくわくする展覧会でした。
by prospect-news
| 2012-09-09 09:32
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