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夢や無意識と「場所」がなす役割について、興味深い話が展開されています。
吉武 泰水著「夢の場所・夢の建築」原記憶のフィールドワークという本を読みました。 著者の吉武泰水は建築計画学の始祖であり、建築を数量的な客観性から計画するという学問を始めた方です。その一方本書では、自分の夢を記録しそこに出てくる建築や場所について自ら分析し考察していて、ちょっとトンデモ本のようでもあり、昔の人は懐が広く深いなァと思いました。 われわれは成長するに従い「場所」の中を動き回る。そしてしだいに古い「場所」の記憶の上に、新しい「場所」の認識や記憶を付け加えていく。その過程で主に夢を通して「原環境(成長期の環境)」「現環境(現在の新しい環境)」の溶解作用が起こる。昨日の私と今日の私が同一であるという自己のアイディンティティーを支えているのは意識のほうだが、夢を含む無意識のほうは「場所」についての新たな経験情報を組みこみながら過去の経験を統合して安定性を与え、われわれの日々の前進に備えているのではなかろうか。 (本文より) 「場所」というものの役割について、興味深く、また実感として納得できる話だと思います。 本自体も、装丁:杉浦康平+出版:工作舎ということで、独特の雰囲気があります。 夢と建築の関係に興味があれば是非。
by prospect-news
| 2013-06-20 12:13
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