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剥き出しの都市が、煙った線路の消失点に、一瞬姿を現した。 関内で所用を終え、横浜市営地下鉄に乗って打ち合わせに向かう。ブルーラインからグリーンラインにセンター南という駅で乗り換え。トンネルを抜けたあたりで大粒の雨が窓にあっているのに気が付く。 駅で次の電車を待っていると、ホームの先は霧がかかったような雰囲気、霞んでいる。なんだかルートヴィヒ・ヒルベルザイマーの都市計画、そのドローイングのような空気感。そういえばセンター南とか北とか、こういう駅名は普段この辺りになじみがない三浦半島の住人にとってはすごく不思議な感じがする。 ヒルベルザイマーは”超”モダニスト(という自分の中での位置付け)。彼はバウハウスでハンネス・マイヤーと共に教えていたが、その頃のバウハウスは、当初の人間主義的/ある種の理想郷的運動というよりも、近代的な人間や社会のありようを極限的に突き詰めようとしていたモダニストという印象がある。効率や経済といったものから建築や暮らしが逃れられないのであれば、それを極限まで突き詰めてみせよう、といったところか。このあたりの感覚は、レム・コールハース/OMAが斜に捉えながら継承している、と私は理解している。 一瞬、すべてを覆いつくす強い雨にさらされて、街はその原理を垣間見せた。 剥き出しの都市をこの煙った線路の消失点に見た、そんな気がした。
by prospect-news
| 2019-08-28 08:32
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