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まわりとなじみながら、同時にそこをゆっくりと変えていく、 そんな建築ができたように思います。 6月に入り、横須賀 追浜の家の外構工事も完了しました。 二つの建物の間に見えているのが出来上がった新しい家です。周囲の風景に溶け込むように建っています。外壁の色はなかなか難しかったのですが、まわりとほとんど同化しています。現代的な解決法のひとつだと思います。 ただしそれで済むわけではなく、屋根からはニョキっと煙突のように黒い金属の塊が飛び出して、玄関の前は建物ボリュームがごそっと取り除かれて黒い焼杉が現れている始末です。しかし同時に、それらによって周囲の雰囲気が柔らかく穏やかに変わってきたようにも思うのです。 家の外観はいうなれば住む人と外界環境との接触面であり、周囲とどのような距離を確保し、またつながってゆくかという考え方がおのずと現れてきます。そういう意味では家の外観のありようがそこに住む人たちになんとなく似てくる(何故か私たちの設計する家ではいつもそうなのです・・・)というのは、興味深いことだと思っています。 玄関ポーチは、黒い焼杉の外壁がぐぐっと折れ曲がってできたアルコーブような印象になりました。赤茶色の玄関ドアと黄色い縦格子の引戸がポーチまわりの雰囲気のバランスをうまく保っているように思います。門柱のレンガタイルは宮崎の新燃岳の火山灰を使ったものです。発注後に窯で焼くため納期に二か月以上を要しましたが、建物全体の雰囲気と調和して、待った甲斐がありました。 植栽が育って立派になるにはもうしばらく時間が必要ですが、きっとその頃には外壁や焼杉も落ち着いてきて、きっと今以上に周辺環境となじんだものになっていることでしょう。
by prospect-news
| 2020-06-09 09:19
| 計画
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